GWいかがお過ごしですか。
私は暦通りだらだらと働いております(一方で暦通りしっかり休めているのだから、ありがたい話ではあるのだが)。10連休何それおいしいの?
今回は少し与太話。内容には論拠も根拠もありませぬ。
ゴールデンウイーク前半は東京郊外にある嫁さんの実家に顔を出していたのだが、お昼に近所のショッピングモール行ったらモール内にありとあらゆる種類の店(但し入ってる店はすべてチェーン店)が凝集したコンパクトシティが完成していて、これもまた都心とは違う形での都市化の一つの行き着く先だなあ、と感慨深かった。
ふと思いついたので、コンパクトシティについて、郊外型と都心型に分けて雑感を書きつらねてみた。
郊外型コンパクトシティ
郊外に住むというのは、通勤が大変かどうかという点と、普段どういうものを買うのか(ブランド選択など買う物の方向性)という点で問題がなければ、近所(といっても車か自転車で行くことになるけれど)のショッピングモールに行けば生活に必要なものは全て揃い、とても快適だと思う。緑も多い。
都心勤務者が郊外に住んだ場合の通勤の大変さは本人の価値観次第だし、買う物の方向性についても、入っているチェーン店がどれも「いわゆる都会っぽさ」をかもし出す「記号」みたいな店ばかりであることについて、ショッピングモールが提供してくれるその方向性で満足ができるならば、何の問題もない。
しかし、金太郎飴よろしくどのモールに行っても同じような「記号」(店舗展開)を提供されるのが満足できない向きは、郊外だけで閉じた生活をしているとだんだん苦痛になってくる気もするのです。そんな時は最寄りの都心、副都心まで行けばいいのだが、例えばそこまで1時間かかることが許容できるかどうか。
都心型コンパクトシティ
チェーン店と個人店舗
一方、都心に住んだ場合、通勤時間の優位性はもちろんだが、買う物の方向性にも大きな違いがあるような気がする。ポイントはチェーン店と個人店舗の割合。
全くの体感値なんだけど、個人店舗の割合は圧倒的に都心が高い(都心のどの辺に多いかという推論は後述)。
理由としては、まず商圏人口が多いぶん都心のほうがチェーン店化の波にいくらか呑まれにくいので個人店舗が多い、という点があるだろう。つまり、都心だと個性を活かした(「記号」じゃない)店、とんがっていたり、おしゃれだったり、こだわりのあるお店をやった場合にそれを支持して付いてきてくれるお客さんが多いということだ。個性的な店が多い個人店舗においては、商圏人口が多い分だけ多様な価値観を持った人が集まる、という都心のメリットが生きる。郊外だと人口ボリュームがないので、ニッチな店はどうしても生き残りにくい。
但し、個人商売故の財務力の弱さは最大のネックになる。だから、都心でも賃料が高いところ、例えば丸の内などはチェーン店ばかりだし、デパートの中も(ある意味当然だが)また然り。やはり出店費用の高さが個人店舗にとっては不利なのだろう。
銀座などはその例から外れてくる(賃料高いが個人店舗も多い)が、でもあの人たちは自分の地所で商売してるから、コストが安くで住むのでしょうね。銀座で新たに店借りて(買って)商売しようとしたら、相当金が無いと無理でしょうし。
二線繁華街の可能性
そう考えてくると、出店費用が比較的安くて、しかも多様な価値観を持った人が集まる都心である、という二つの条件を兼ね備える街が個人店舗の新規出店しやすい場所として浮かび上がってくる。
そういう目で改めて見てみると、例えば上野のアメ横や老舗群、新橋の飲み屋街などは個性的な店が多いし、神楽坂、麻布十番もそうだ。谷根千は路地裏の店を覗きながらの散策が楽しい。チェーン店の割合は(相対的には)低い。上野などはそれでも随分チェーン店化が進んでるけどね。
こういう二線繁華街周辺にもっとたくさん人が住むようになると良いなあ、と思う次第。
…なんてことを嫁さんの買い物に付き合って棒のようになった足をショッピングモールのベンチでうらうら考えた(だらだらまとめてるうちに月曜になっちゃったけどね)。
おそまつ。