こんにちは!
今日は地図を見ていて不思議に思ったことがあったので書いてみた。
まとまりも無いし答えも出てないので、答えをご存知の方是非教えてください。
あと、素人なので解説間違ってたら教えてくださいな。
分水界と流水域
分水界(あるいは分水嶺)というものがある。
平たく言えば、川が二本あった場合に雨として降った水がどちらの川に流れるかの境目が分水界(それが山だったら分水嶺)だ。
水は(人為がない場合は)常に低い方に流れるから、一本の川に対しては分水界がぐるりと周りを囲んでいることになり、そして独立したA川とB川という二本の川があった場合、その分水界は交わらない。囲まれた地域は流域と呼ばれ、その場合は分水界とは呼ばずに流域界と呼ばれる。大雑把に言うとこういう感じ。
例えばドナウ川の分水界についてのこの記事などは分かりやすいね。
街中の分水界については例えばこんな記事がある。武蔵村山とか小金井の街中にある分水界の話だ。
ちなみに、分水界は川単位ではなくどの大海に注ぐかを単位に示されることもあり、その場合は例えば太平洋の分水界、という具合に区分される。つまりこんな感じ。
分水界 - Wikipedia より転載
日本の場合は太平洋側と日本海側で分水界を分ける場合もあって、その場合の分水界は特に中央分水界と呼ばれる。
神田川の場合
ここで話は神田に戻ってくるのだが、昨日(2016/08/20)大雨の中家に居たら、渋谷川・古川に氾濫危険情報が出されたというニュースが飛び込んで来た。
神田は水害的には比較的安全な地域だという話は以前にも書いた。
とは言っても一方で外はすごい雨。おいおい神田川大丈夫かよと思って慌てて水位情報をチェックしたのだが(水位グラフ|東京都 水防災総合情報システム。ちなみに神田川には環状七号線地下調節池というものすごいギミックがあるので今は滅多なことでは氾濫しなくなっている様子)、その時にふと気になったのが神田界隈に降った雨水は一体どこに捌けるんだろうかということ。
千代田区神田地域は東に隅田川、南に日本橋川、北に神田川が流れ、西は神田川と日本橋川の分岐(水道橋駅そば)なので、要は四方を川に囲まれている。土地は全体として東に向かって低いので、隅田川に流れるのかなあ、でも日本橋川に流れる地域と神田川に流れる地域と隅田川に流れる地域との境目(これが上述した分水界・流域界になる訳だが)はどこなんだろう、と疑問に思った次第。
とりあえず東京都のページから神田川流域浸水予想区域図をダウンロードしてみたらこうなってる。
神田川流域浸水予想区域図 より一部抜粋転載
水色や黄色のドットは想定浸水域を示しているのだが(要元図参照)、図中青斜線で示されているのが流域界、つまり分水界、でいいんだよね…すっごい不自然な形なんですけど。
別に公開されている隅田川流域浸水予想区域図によれば、この図で青斜線の外にあたる地域は全て隅田川流域に分類されている。
とりあえず上で書いた、神田に降った雨水はどこに捌けるか、という疑問の答えは出たように思う。神田川と日本橋川は同じ流域に属するのでその二本の間では特に分水界を考える必要はなく、なので答えは神田川か日本橋川のどちらかに流れるけれど隅田川には流れない、というのが答えなのだろう(ただ、それを言い出すと神田川も隅田川も同じ荒川水系に属する川なので、神田川と日本橋川の間で分水界を考えなくていいのなら、隅田川との間でも考えなくていいんじゃないか、とか色々考えてしまうのだけれど)。
でも、「日本橋川」という青文字の右手、ちょうど日本橋人形町、日本橋浜町あたりにある不自然な分水界はなんなんだろう、とか、神田川の分水界が浅草橋駅、というか総武線の南北ではっきり分かれているのは何、とか、大手町に入るといきなり神田川(というか日本橋川)の流域じゃなくなるとか、疑問は尽きない。
隅田川流域浸水予想区域図を合わせてみるともっと不思議な感じ
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千代田区はじつは殆どが隅田川流域に含まれている(江戸開府以前、今の溜池からの堀は日比谷公園(当時はまだ河口の入江)まで注ぐ川になっていたので、今でも地形上隅田川流域に入るのだろうか?)。
あと、江東区、墨田区の分水界の不自然さがオタク的にはたまらない感じだ。なんで直線と直角でできているのか(要元図参照)。江東区なんてそれに加えて堤防ギリギリまで隅田川の流域じゃないことになっているし(江東区の浸水予想図を見るともっと面白い、あの地域はもはやどの川の流域でも無いことに(少なくとも防災地図上は)なっているのだ。海抜0メートル地帯があるためだろうか)。
※ 念のために申し上げときますが、私が面白がっているのは流域の区分であって、浸水域を茶化してる訳では無いです。浸水予想図を取り上げたのは流域が記載されてるから使わせてもらっているだけ。