こんにちは!
今日はちょっと重い話題。
駅のホームドアやバリアフリー対応について
ご存知の方は多いと思うが、今年8月15日に銀座線青山一丁目駅で盲導犬を連れた男性がホームから転落するという痛ましい事故が起きた。
当日、こんなTweetをしていた私。
よくわかる。
— 神田へGO (@kandazumi) August 28, 2016
銀座線神田駅などはホームが扇状になっているので、特に扇のかなえ側の須田町出口方向などは狭くて健常者の私でもひやひやする。
一方で同じ東京メトロでも淡路町駅はホームドアがあってとても安心。
事情はあろうが是非早い整備を! https://t.co/4F1lDgUTUf
高齢化していったらこういう事故の可能性は高くなると思うので、やはり早めの対策を願いたいと、犠牲者の方のご冥福をお祈りしつつ。
— 神田へGO (@kandazumi) August 28, 2016
私自身だっていつ身体にハンディを負い、ホームドアのない駅に不便を感じる日が来るか分からない。
また、これはホームドアの話ではないが、以前高齢の祖母が神田に遊びに来た時に地下鉄に乗るのにとても苦労したことがあり、この事故を見ていて改めて障碍者、高齢者の方に対する目配りの大切さに思いを致した次第。
しかしホームドアの設置は遅々として進んでいないのが現状だ。
転落・人身事故と、それに伴う列車の遅れを避けるため、政府は2020年度までに800駅にホームドアを設置するという目標を定めたが、建設時期の古い路線はホームに設置スペースを十分に確保することが難しい場合がある。全通時期が1939(昭和14)年と古い銀座線も、現時点で設置されたのは上野駅の一部のみにとどまっている。NHKニュースによると、2018年度までに渋谷・新橋駅を除く17駅に設置される計画だという。
(上記記事より引用)
そこで今回は、本日現在における千代田区神田界隈の地下鉄(神田、新御茶ノ水、淡路町)について、ホームドアの設置状況とバリアフリー度について簡単にまとめてみた。
ところで、新御茶ノ水駅の北端から神田駅(地下鉄)の南端までを一枚の地図に入れると、地図の中に秋葉原駅、御茶ノ水駅、岩本町駅、神保町駅まで入ってしまった(地図が横長だからというのもあるんだけど)。千代田区神田界隈の駅密度の高さに改めて感心した次第。
あと、本来であれば都営線小川町駅も入れるべきなのだが、最近都営線を使う機会がないのでまた後日にさせて頂きたい(記事だけのためにわざわざ都営線に乗るのは…)。ご参考までに申し添えれば、小川町駅は本日現在ホームドア未設置、改札階まではエスカレーターとエレベーターがある。急行通過駅(都営新宿線は急行があるのだ)なので通過する電車のスピードがかなりあって怖い。
神田駅(銀座線)
神田駅はJRと東京メトロ銀座線の二つの駅があり、銀座線神田駅はちょうど中央通りの地下に南北方向に設置されている。事故のあった青山一丁目駅(1938年設置)と同じ銀座線、日本で指折りの古い地下鉄駅となる(1931年設置。ちなみに日本一古いのは浅草駅で1927年設置らしい)。
上に引用したTweetで「ホームが扇状」と書いたように、下に示した須田町方面改札をからJR神田駅方面に改札に向けてだんだん広くなっている。
須田町方面改札。狭さがわかっていただけるだろうか。
同じ場所からJR神田駅方向(南)側。写真だとよくわからないのだが奥に向かって広くなっている。
目下大改造中なのでホーム中程にこのような工事スペースが設けられており余計狭い。
リニューアル工事のお知らせ。完成の暁にはこんな美々しい駅になるらしい。でもありきたりな気もして面白くないなあ。よく見ると完成イメージにはホームドアが描き込まれている(文字でも書いてあるけど)
リニューアル中なのでこんなものも拝める。営団地下鉄時代の看板(上)と東京メトロの看板(下)が揃い踏み。
右側の看板をよく見ると「席をゆずりましょう」「シルバーシート」さらに「帝都高速度交通営団」の文字が。懐かしい…
これは須田町方面改札から須田町交差点まで長く伸びる地下通路。つい数年前まで右側の工事部分に神田須田町地下鉄ストアなる商店街が残っていた。
昔の須田町は国鉄万世橋駅に臨し、東京の都電交通の枢軸だったので、須田町との連携を考えて神田駅からわざわざ地下道を伸ばして繋いだのだろう。
上の地図を見ると銀座線神田駅が北に向かって妙に長細い、不思議な形をしているのがわかると思うのだが、それはこの通路があるためだ。
地下道ならでは、天井を這い回るぐねぐね配線がイカす
通路の北端に近いあたり。緑白のしましま模様の囲いの奥にあるタイル張りなどは、建設当時からあるのではと思われる風情
時代がかった通路を抜けて地上に出るとこんな現代風な出入り口。
エレベーターもあって安心だ(但しエレベーターはJR神田駅側出口には無い)
見ての通り神田駅は大改造中で、かつ建造年が古いということもあり、総じて危険な印象を受けた。特に須田町改札側はホームが狭い、もっともJR神田駅側改札も執筆現在鋭意通路工事中なのでとても歩きにくいのだが。暫くは我慢だね。
利用者の方は十分ご注意あれ。
新御茶ノ水駅
新御茶ノ水駅の構造はなかなか謎が多い。
駅北側改札は長大なエスカレーターを延々と(しかも一回乗り換えて)登って行くと、JR御茶ノ水駅の聖橋口の目の前に出る。
一方、駅南側改札を出て地下道を延々と(しかも途中で一回左折して)歩いて行くと、都営線小川町駅の脇を抜けて丸ノ内線淡路町駅(後述)の改札前に出る。
御茶ノ水駅方面改札は駿河台の上にあり、一方で小川町交差点方面改札は下にあるので、高低差が10m以上はある(筈)という地理的要因に加え、中途半端に近い駅を一体化したという特殊要因が大きいのだろうが、それにしても不思議な作り。
説明しにくいのでこの文章みながら上の地図か下の構内図を確認して見て下さい。多分わかってもらえる(と思う)。
丸ノ内線御茶ノ水駅(聖橋口と反対側の御茶ノ水口そばにある)の次の駅が淡路町駅で、御茶ノ水駅と新御茶ノ水駅は隣り合わせなので、要は御茶ノ水駅から淡路町駅までのほぼひと駅分を歩いているのにかなり近いことになるわけだ。しかし乗り継ぎはあくまで新御茶ノ水と淡路町の間でのみ認められ、御茶ノ水と淡路町の間では認められていない(地下道もさすがにそこまでは繋がっていない)。まあ当たり前といえば当たり前だし、同じ路線の次の駅との間で乗り換えを認めたってしかたがないのだけど、なんか不思議。
さて、そんな新御茶ノ水駅だが、これまたひやひやさせられる駅だ。
結構なスピードで滑り込んでくる常磐線直通列車
ホームの幅自体は神田駅に比べて広いので落ちそうになるというヒヤヒヤ感は(少なくとも現在健康な私には)ないのだけれど、ホームの端近くを歩いていたり、電車を白線の内側で待っていたりすると、風圧がすごいのでたまにふらっとする。
これは隣駅の大手町駅やその先の二重橋前駅でも感じることなので、千代田線総体としての問題なのだろうな。まああくまで体感ですが。
電車がない状態のホーム。曲線が美しい。
壁にはカレンダーをモチーフにしたレリーフがあしらってある。
暦の駅、というコンセプトらしい。この装飾結構好き。
ホーム端っこまで来ると、(ホームが電車長より長いため)落下防止にこういう柵がある。
小川町交差点方面に抜ける改札。これをずっと歩いて行くと靖国通りの地下を通って淡路町駅に出る。
ちなみに反対側の御茶ノ水駅側改札から出ると、直接御茶ノ水ソラシティ ソラシティプラザに出られて便利。成城石井もあるし、カレーの名店「エチオピア」の分店もここにある。
駅全体としてはホーム幅の広さに助けられ、神田駅ほどの危険を感じることはない。
ただし、多分銀座線より千代田線のほうがスピードを出しているのだろう、風圧がすごい。やはりホームドアがあると安心だなあ。
淡路町駅
淡路町駅、たぶん丸ノ内線屈指の渋い駅だが、大手町まで一駅、東京駅まで二駅、銀座まで三駅という絶好のロケーション。
そして淡路町交差点とその一つ西側にある小川町交差点の間、靖国通り地下に東西に延びているのが小川町駅。淡路町駅と新御茶ノ水駅とは小川町駅脇の通路を介して繋がっているのだ。
たぶん説明だけだとよく分かんないと思うので、地図見てください。つまりそういう事です。
この駅はホームドア設置駅なのでその点は安心。
ただ、見て頂いて分かるように、上下線でホームが分かれているのだ。
柱の奥に見えているのが反対方向ホーム。
従って、交差点東側(秋葉原側)から降りると荻窪方面、同西側(神保町側)から降りると池袋方面の改札がある。改札内でホーム間を行き来する通路は一応あるが、移動は階段(車椅子用昇降機があるが…)、ホーム間移動はお勧めしない。
改札外については、池袋方面は改札・ホーム階から地上までエレベーターが設置されているが、荻窪方面は現時点では未設置。鋭意工事中だ。
工事のお知らせその一。A2出入口の矢印側にある、上下に伸びる青い線が設置中のエレベーター。
同エレベーターの示意図
やはり古い駅(淡路町駅は1956年設置)の改造は大変ですね。
らくらくおでかけネット
今回この記事を書くためにネットを見ていたら、このようなデータベースを運営しておられる団体がおられた。
例えば銀座線神田駅。こんな感じでトイレ、車椅子対応、オストメイト、ベビーベットの有無、車椅子での移動情報などが詳細に表示される。
このような活動に敬意を表すると共に今後のさらなる拡充を応援したい。
おまけ
本日現在銀座線で唯一の上野駅ホームドア。可愛いパンダ柄。