神田の住み心地

千代田区神田に住むアラフォーリーマンの日記。神保町、秋葉原、日本橋、大丸有(大手町、丸の内、有楽町)の間という超都心に位置する神田界隈で過ごす日常生活や、暮らしやすさ、うんちくなどを語ります。 Twitter ID:kandazumi

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町内会(町会)というものについて

 こんにちは!

 今日は「町内会」についての実体験のご紹介。Twitter上でネタ募集して頂戴した話題。

 

 

新住民が町内会に入るということ

 よく「面倒くさい付き合い」として取り上げられがちな「町内会」。特に歴史のある街だと伝統やらなんやら複雑に絡んで、余所者たる新住民にはなかなか理解し辛いところがあるのではないだろうか?

 私も新住民として神田地区某町の町内会(千代田区では「町会」と呼ぶので、以下では町会と書く)に名を連ねる身なので、私的な体験にはなってしまうが、町会に入ったきっかけやメリット、デメリットなどについて雑駁に書いてみたい。

 なお、以下はあくまで私の住む地域における状況なので、一例として理解されたい。

 

きっかけ

 私の場合、町内会に入るきっかけになったはお祭り。

 神田、日本橋といえば日本三大祭の一つである神田祭なしには語れない。

 私は(このブログを継続して読んで下さっている方はお分かりかと思うが)歴史オタクである。歴史と伝統が三度の飯より好きなタイプ。なので、神田に越してきた当初から神田祭には興味津々。

 どこの地域でも多かれ少なかれそうなんじゃないかと思うんだが、神田の場合は町会がお祭り実行の最小単位になっている。町会ごとに神輿を持っていて、神田祭の際は町会のメンバーが中心となって神田明神まで神輿を担いでいくのだ。

 つまり、神田祭で自町の神輿を担ぐには町会への参加が必至。勿論、自町以外の祭りでよければ、以前の記事でご紹介したように睦に入ることで担ぐことができるようなんだけどね。

  

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   江戸最古の伝統と長い歴史を持つ場所(町会は住所表示施行前の町割りになっているので、町会自体が短くても明治以来、長い町だと江戸初期から400年の歴史を背負っていたりする)に住んでるのに、地元の神輿担げないなんて勿体無いじゃないですか!

 要は祭りに混ざりたい一心で町会に入ったと言う訳。

 

町会加入は義務?

 気になる方も多いんじゃないかと思うのだが、町会は任意団体であり加入は義務ではない。したがって入るには自分から手を上げる必要がある(義務の有無については、町内会からの脱退可否を争った判例あり)。

 加入するには、何かの行事のときに声をかけるか(私はこれで入った)、区役所に聞いて連絡先を教えてもらうのが良い。神田公園地区神田錦町〜内神田あたりの一帯。だいたい靖国通り沿いから南、日本橋川から北、本郷通りより東、山手線より西の一角)の場合は、「大好き神田」(そのまんまですな)という町会の公式サイトがあるので、そこからメールで連絡を取ってもよいだろう。

 町会費は月額6-700円程度だが、行事ごとに参加費が別途発生することもある。

 

町会員は何をするのか

 町会に入ると、町会の行事について案内が来て、それらに参加したり、またそれらの運営をお手伝いすることになる。

 行事としては、年始の神田明神参拝に始まり(ちなみに町会として参拝すると、元旦の大大行列の順番待ちをすっ飛ばして、いきなり拝殿に上がって参拝でき、加えて御札まで頂けちゃう特権があるのでちょっと特別感がある。多分神田明神さんの氏子町はみんなそうだと思う)、親睦行事、町内行事(イベントなど)、他町会のお祭りのお手伝い、年末の火の用心見廻りなど。

 神田祭は各年開催なので、今年(2016年)は他町会の祭りだけだった。

  

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 あと、町会は地方自治の末端組織として活動しているので、意外なことに(少なくとも一部の)街灯が町会の資産だったりする。町によってはゴミ置き場が町会の所有だったりするみたいだね。

 

町会の雰囲気

 町会については、特に地方だと閉鎖的、義務の押しつけなどがあるようだが、私の加入する町会については、押しつけは一切ない。極めてフレンドリーかつオープン。

 勿論活動への参加は求められるが強制ではないし(実際仕事やら家庭の事情やらで参加できないものがかなりあったのだが理解して頂いたので有難かった)、極端な話全行事に参加しなかったとしてもどうにかなっちゃうんではないだろうか(但しその場合は逆に何故町会に加入する必要があるのかが疑問だけれども)。この気軽さは、おそらく公共財の管理(典型がゴミ置き場の掃除など)が町会員の義務ではないのが大きいのだろうな。

 

加入のメリット・デメリット

 メリットとしては、お祭りに参加できるということ以外だと、ご近所に知り合いができるのがなにより大きい。

 子供がいる場合は町会行事を通じた親同士の繋がりは何かと役に立つだろうし(上の学年から聞く進学や塾の情報など)、また防犯対策としても近所の方に顔を覚えてもらうことは有効だろう。

 私はマンション住まいなので、正直隣の住民の顔もよく知らない。しかし、町会に入ってからは同じマンションに町会メンバーがいることもあり、安心度が増した。どうせオートロックなんだから隣人の顔を知っていようといまいと安全性は同じじゃないかと言われるかもしれないが、安心であることと安全であることは似て非なることだ。

  また、何か町全体に関わる問題があったとき、町会を通じて行政や議員に働きかけることができるチャネルを持てたことも個人的には大きいメリットと感じている。区議はまず間違いなくどこかの町会員なので、自町内居住ならば勿論、そうでなくとも町会同士の横のつながりで相談することができる。勿論知り合いじゃなくても相談は出来るんだが、敷居の高さが違う気がするのだ。

 千代田区は人口たかだか六万の小都市、区議の存在感は(例えば人口百万近い世田谷区あたりの区議と比べたら)かなり大きい。

 

  もう一方のデメリットについてだが、上述したメリットをメリットと感じられない方はそれがそのままデメリットになるのでは無いだろうか?

 近所に知り合いができれば人間関係のしがらみに縛られるかもしれないので嫌だ(そんなものは子供の学級内やPTAの付き合いでお腹いっぱい!)、防犯対策はオートロックで十分、町内行事に参加している暇は無いしお祭りにも興味はない(別の宗教を信じているからむしろ神道系のお祭りは迷惑である)、区議を通じて働きかけたいことも無い。もしそう感じてしまうならば、メリットは皆無なので、むしろ町会加入はお勧めしない。ストレスが増すだけだ。

 

共同体の一員であるということ

 ここから先はおっさんの繰り言である。

 上述に加え、私が町会に入ろうと思ったのには別の理由もある。それは、自分に新しいペルソナ、伝統ある共同体の新しい一員としての資格が欲しかったから。

 私は会社では灰色の管理職であり、家では恐妻家であり、実家では出来の悪い息子であり、友人間では付き合いが悪く会話が詰らない男である。

 そんな私が新しい何かになるというのはとてもワクワクする話だ。この年齢で新しい何かに、しかも月700円程度の出費でなれるのだから。ユニホーム(祭の法被)まであるし(別売りですが)。

 あなたも伝統ある共同体の一員、という新しい資格で変身してみませんか?

 

 

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