神田の住み心地

千代田区神田に住むアラフォーリーマンの日記。神保町、秋葉原、日本橋、大丸有(大手町、丸の内、有楽町)の間という超都心に位置する神田界隈で過ごす日常生活や、暮らしやすさ、うんちくなどを語ります。 Twitter ID:kandazumi

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まつろわぬ者達(ただし地名的な意味で)

こんにちは!
今日は地名の話、まずは街でよく見るアレについて。

二種類あるアレ

街角で目にするなんの変哲もないコレ。地名の表示板ですね。
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一方で、こんなのもある。
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実は、この二つはデザインの違い以上の意味があるのだ。

住居表示板と地番表示板(?)

日本には住所に関する法律がある。
住居表示に関する法律 - Wikipedia

曰く

日本の住居表示は1962年5月10日に施行された住居表示に関する法律に基づいており、町をわかりやすくしたり、郵便物を配達しやすくすることを目的にした制度である。
住居表示制度が存在する以前、住居(住所や事務所、事業所などの所在する場所)の表示は、慣習的に、例えば○○一丁目一番地というように、いわゆる町名番地(いわゆる地番)によって行なわれてきたが、町界が道路などの実際の境と必ずしも一致しておらず、また、地番も整然と配列されていないため、住居の表示が非常にわかりにくいものとなっていた。

住居表示 - Wikipedia

地番(ちばん)とは一筆の土地ごとに登記所が付する番号をいう。主に不動産登記で使用されるほか、住居表示が実施されていない地域では住所をあらわす時にも利用されることが多い。住居表示に関する法律に基づいて市町村が付する住居番号とは異なる。

地番 - Wikipedia

詳細はそれぞれのWikipedia記事やウェブ上の情報を見て頂きたいのだが、そんな状況で東京都や市区町村の偉い人の言う事を聞かず住居表示を実施しない、まつろわぬ人たちもいた。

例えば京都の地名が今でもわかりにくい(むしろ趣深い、と言いたいところだが)のは京都市民がこの法律に基づく整理に全く協力せず住居表示が未実施だからだし、東京でも新宿区、千代田区あたりは特に激しく抵抗した口だ。

千代田区の住居表示実施率は74.06%
つまり25%は地番表示のまま。これはかなり低い数字らしい。
千代田区ホームページ - 住居表示実施地区と未実施地区一覧

ちなみに、住居表示についてはこちらのブログが詳しい。
blog.goo.ne.jp

東京23区のうち、住居表示が100%実施されていないのは、千代田区、新宿区、港区、練馬区江東区墨田区江戸川区、足立区のようです。

(上記ブログより引用)

意外な感じがするが中央区は完全実施済だという。あの「日本橋○○町」というのは住居表示実施により整理された後の姿なんだそうで。ホント意外ですね。

神田界隈の愛すべき混乱

私は住居表示など馬鹿馬鹿しい文化の破壊だと思っている口なので、千代田区(というか神田っ子)が抵抗し続けているのが好ましいと思っている。
だって、昭和40年台ならともかく、いま地名の表し方が多様だったとしても郵便屋さんもタクシーもたいして困らないでしょ。IT技術万歳!

それではここで、実際に愛すべき混乱ぶりを見てみよう。
例えばこんな感じ。

JR神田駅東側の様子。
神田東松下町神田富山町神田東紺屋町神田紺屋町神田美倉町神田北乗物町と地番表示の地名のオンパレード。なので一つ一つの町がとても小さい。(この地図からだとわからないが、)神田紺屋町に至っては他の町に分断されて南北に分かれている。
さらに、駅前には鍛冶町(住居表示実施済)と神田鍛冶町(地番表示のまま)が併立。神田鍛冶町が抵抗したんですな。
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同じく駅西側の様子。
駅前の内神田(住居表示実施済)がやたら広いのに比べて、神田多町神田司町神田美土代町(地番表示のまま)が駅東側程ではないにせよ、相対的に町域が狭いのが分かるだろうか。
おまけに神田多町神田司町は二丁目しかない。これも一丁目は住居表示によって内神田になった一方、両町が抵抗した結果らしい。
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(地図はいずれもマピオンからお借りしました)
http://www.mapion.co.jp/smp/m2/35.693965270194,139.75361194444446,16

ちなみに冒頭の「アレ」だが、青いもの(地域によって色は違うだろうか)は住居表示実施地域に対して交付されるものであるのに対して、緑色のものは交付されないので便利のために作られたものであるらしい。

おひまなとき、千代田区神田界隈で地名探検をするのも楽しいですよ。
今日はこの辺で、おそまつ。

神田を歩く―町の履歴書 (毎日ムック)

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