こんにちは!
昨日夕日が綺麗だったので歩いて帰ったのだが、ふと思い立って大手町仲通りを通ってみたのでそのご報告。
鎌倉橋橋洗い
いきなり脱線して恐縮なのだが(脱線してもちゃんと最後は大手町仲通りの話に繋がりますのでお待ちあれ)、先日鎌倉橋の橋洗いというイベントが開催されたという話をネットで見て、おもしろいなあと思った。
だって、橋を洗うイベントだよ。そんなの聞いたことないじゃない。
なんでまた橋なんて洗うんでしょ?
www.otemachi-marunouchi-yurakucho.jp
鎌倉橋はここにある。
鎌倉橋は大手町と内神田の境、日本橋川に架かる橋で、これを越えるといきなり街の雰囲気が変わるおもしろい場所だ。今はどちらの街も同じ千代田区だが、旧三十五区時代には内神田側は神田区、大手町側は麹町区で別の区に属していた。
鎌倉橋橋洗いプロジェクトのページ曰く
人情のまち“神田”
日本一の企業集積地で日々進化する“大手町”
2つのまちを外堀通りの一部としてつないでいるのが「鎌倉橋」です。8月5日、地元の内神田鎌倉町会や企業の社員のみなさんが協力して「鎌倉橋橋洗いプロジェクト」を実施。
まさに地区と地区、人と人の架け橋となるイベントになりました。
鎌倉橋(というか日本橋川)が二つの町の境界になっている(ってまあ見た通りなんだけどさ)ということが、このページの描写からもにじみ出ているなあと思った次第。
丸の内仲通りと大手町仲通り
そこで本題に戻るわけだが、丸の内仲通りはご存知の方が多いと思うのだが、大手町仲通りというのはご存じだろうか。
丸の内仲通り
丸の内の大家さん、三菱地所一押しのおしゃれストリートだが、最近はゴジラによる破壊と放射能汚染が心配されるところである。
この地図で青線を引いた部分が丸の内仲通り(ただし南端がどこなのかいまいちはっきりしないのでかなり有楽町寄りまで引いてしまったが)
青色の北側に、もう一本引いたオレンジ色の線(これもかなりいい加減に引いた)が見えるだろうか。
これが大手町仲通りだ。
少し地図の縮尺を大きくするとこんな感じ
同じ「仲通り」と言っても、丸の内仲通り(青線部)は一般車道(多分都道)であるのに対し、大手町仲通り(オレンジ色)は途切れ途切れであるのに加え、基本的に歩道(というかビルとビルの間の細長い広場)で出来ている。
帰宅がてら歩いてみたので、ここで実際の写真をご紹介。
大手町仲通りを歩いてみたよ
大手町仲通りは永代通りの北側、OOTEMORIと大手町ファーストスクエアの間(要は大手町の森の脇)からスタート(この写真は以前撮影したものを流用)
そこから一度大手町ビルと大通り(常盤橋通りだっけ?)で一旦遮られる。横断歩道はなし。
横断歩道のある交差点まで回り込んで大通りを渡り、再度サンケイプラザと読売本社ビルの間から再スタート
この区間は幅もずいぶん広く、ベンチなどもしつらえてあって誠に歩き心地が宜しい
楽しく歩くのもつかの間、またもやこんな無粋なぶった切られ方
そのうち改善する積りなのでしょうけど…横断歩道はよ。
またもや迂回して通りを渡って、大手町フィナンシャルシティと星のや東京の間から再々スタート
上の写真はちょうどこのあたり
両側にちらほら店もあって、将来が楽しみな感じ
しかし楽しく歩くもつかの間、すぐに日本橋川南詰の遊歩道で川に突き当たって終点
川端から神田橋側(進行方向左手)を望む
同じく鎌倉橋側
残念ながら直進方向、川の北詰はコープビルで塞がれているので神田には抜けられない
(正面の白い窓の連続がコープビル)
ちょうど神田橋と鎌倉橋の中間地点にあたる
(ところで小紋広場(Common Plaza)というダジャレ考えたのは絶対デベの偉いおっさんだと思うんだけどどうなんですかね)
なお、大手町仲通りについてはこちらのブログも詳細をまとめておられて参考になる。
仲通りを延伸してどうするの?
仲通りを延伸(というか大手町仲通りを新設)してどうするの、と思ってそぞろに調べてみると、どうも都市計画としてさまざまな主体によって大きな絵が描かれている様子。
- 千代田区の思惑
神田警察通り沿道賑わいガイドライン
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/machizukuri/toshi/kekaku/documents/kandakesatsudori.pdf
人の流れを受ける飲食や物販など賑わい機能の導入
・丸の内仲通りの延伸に合わせて、大手町方面からの賑わいを引き込む。
・南北方向の区画道路や出世不動通り、神田駅西口通りの延長線上など、東西南北の回遊動線で、地域全体として面的に賑わいを拡大する。
東京都市計画地区計画の変更(千代田区決定)
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/machizukuri/toshi/toshikeikakuzu/pdf/14daimaruyu20150130.pdf
仲通りは、本地区内における歩行者の骨格軸として、概ね 21m の空間を基本とし、安全・快適で賑わいのある通りとするため、壁面の位置の制限により後退した部分を歩道状空地として整備する。また、都市環境にも配慮しつつ、回遊性の向上のため、仲通りの歩行空間機能を大手町地区へ延伸していくとともに、神田地域との連携・相互補完に 向け、歩行者のための新たな動線・空間を創出していく。
- デベロッパーの思惑(の一例)
大手町の森 - 都市を再生しながら自然環境を再生する ー
http://abee.or.jp/designaward/past/13/docs/19.pdf
(上記資料より抜粋)
大手森と仲通り延伸の関係についてはこちらの記事も詳しい
大手町の森の意義は、ビル1棟の物件価値向上という点だけにとどまらない。有楽町から丸の内に至る「仲通り」は現在、大手町ビルの南側を走る永代通りで途絶える格好になっている。千代田区などでは最終的に仲通りを神田まで延伸する計画を練っているが、大手町ビルの完成によって森の脇を通る形で歩行空間が設置され、仲通りが初めて永代通りを越えることになる。
これらを総合するに、大丸有側(主にデベロッパーサイド)としては丸の内仲通りの賑わいを再開発後の大手町側に呼び込みたいし、神田側(主に千代田区サイド)は神田警察通りの再整備と絡めて大丸有と神田で人が回遊するように仕掛けていきたい、ということらしい。
そこで冒頭の鎌倉橋を洗うというイベントに戻ると、何を狙ってそんなことをしているのか何となくわかるような気がするのである。こういうイベントを契機として、少しずつでも大丸有側と神田側の回遊を促したいのだねきっと。
大手町仲通りの北端から東に少し回り込めば鎌倉橋を経て神田に繋がる。大手町仲通りからまっすぐ北進出来ない現状では、それが早道。
大手町仲通りへの要望と期待
最後に要望や期待をそぞろに書いてみよう。
まず要望。現在の大手町仲通りは部分ごとに開発されたためか、仲通りというよりはむしろ細長い広場が飛び飛びで点在している、という状態にある。真ん中で大手町ビルに遮られたり、横断歩道無しで大通りと交差したり、歩車分離用の柵に阻まれたり。いろいろ事情はあるのだろうが、これはいち早く横断歩道の整備を進めないと、折角の大手町仲通りが生きないだろう。
期待は、大手町仲通りの整備により神田と大丸有との行き来がしやすくなり、繋がりが強まり、相互の人の行き来がもっと活発になることで、大丸有のプレゼンスに乗っかって神田のプレゼンスが上がっていくこと。行き来がしやすくなれば心理的距離も縮まり、オフィス街として大丸有を補完したり、また大丸有が持ち得ない職住接近の居住部分の機能を担いやすくなるんじゃないかと思うのである。
神田警察通りの整備と合わせ、いろいろ楽しみである。
おまけ
帰宅中に出会った見事な夕焼け。
夏は夕焼けが良い。

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