神田の住み心地

千代田区神田に住むアラフォーリーマンの日記。神保町、秋葉原、日本橋、大丸有(大手町、丸の内、有楽町)の間という超都心に位置する神田界隈で過ごす日常生活や、暮らしやすさ、うんちくなどを語ります。 Twitter ID:kandazumi

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千代田区神田の人口規模 ―豊洲・日本橋・吉祥寺と比べてみたよ―

 こんにちは!

 今日はふと気になった神田界隈の人口をネタに少し遊んでみた。

 結果として地図、数字、グラフの羅列になってしまったのでやや退屈かも。なお、私はこの手のデータいじりは全くの素人なので、データの扱い方や読み解き方に間違いがあった場合は指摘いただけると有り難い(まあそもそも読み解いてないので間違えようがないかもしれないけどね)。

 

  

人口規模ということ

    先日、Twitterを見ていたら、有名ブロガー(ツイッタラー?)の都心湾岸丸さんがこんな事を呟いておられた。

 

    まさに我が意を得たり、というコメントに思わず深く頷いた次第。

    前にも言った気がするのだが、卵が先か鶏が先かは兎も角、ある程度の人口規模がある事とそこに生活インフラが整備される事との間には相関関係があるように思う。

    全く根拠は無いのだが、都心湾岸丸さんが仰られるように、或いは七千世帯1.4万人というのは生活インフラ整備の歯車が回り始める閾値なのかも知れないね。

 

神田界隈の人口規模が気になる

    私が神田の人口について呟いた内容。

 

    勿論人口密度と人口規模は別の話なのだが、行政が公表しているデータは残念ながら町丁別の人口規模、人口密度、世帯数のみだし、かつ町丁毎の面積もバラバラなので、その場では人口密度のみのコメントに留めた。

    しかし、神田が都心の住宅地の中でどの程度の人口規模を占めているのかはとても気になるところ、なので今回改めて調べてみたという訳。千代田区は人が住んでない面積が多すぎるので(皇居、大丸有、霞ヶ関など)、こういう時には区全体の数字だとあまり参考にならないのだ。

 

徒歩圏内人口規模比較

    比較のために、神田界隈(便宜上小川町交差点を中心とした圏内)以外にも江東区豊洲中央区人形町、郊外代表として武蔵野市吉祥寺の計4地域についてそれぞれ徒歩圏内の世帯数と人口規模を調べてみた。

    方法としては、

の二つを使って、まずGoogleマップ上で同心円を描いた上で、円の中にある町丁の世帯数と人口をいちいち拾って調べる、という頭の悪い方法正攻法。「徒歩圏内」 の定義だが、とりあえず徒歩10分の範囲を徒歩圏内と考えた上で、1分80mと置いて半径800m(徒歩10分圏)を徒歩圏内とした。

 ただし、都心湾岸丸さんがベンチマークとして挙げられた佃リバーシティは半径400m圏に収まる大きさの開発なので、半径800m圏と比べると面積は1/4。佃の半径400m円には水面の面積も含まれているので、その分を割り引いて今回は三倍の2.1万世帯、4.9万人を基準値として考えていくことにした(正確な比較にはならない。まあ参考程度ということで)。

 

地図中央、赤い円の中が佃リバーシティのあたり

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地図に円を描く、というのは

www.kandazumi.com

の記事で使わせて頂いた事があるね。この時は半径1kmの円を描いた。

    では早速比較してみよう!

神田界隈

まずは気になる神田界隈から。

 

小川町交差点を中心にした半径800m圏

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 円にかぶる町丁を住民基本台帳から拾って、グラフにする。

 

およそ半径800m圏に存在する町丁の人口データ

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千代田区中央区文京区の2016年11月分の人口統計資料を加工して作成

 

    ほぼ半径800m圏内に存在する町丁を目視で拾いながら、早くもこの企画を思いついちゃった事を後悔する私。神田界隈…町丁多すぎ。住所表示が施行されていないデメリットがこんな形で自分に跳ね返るとは思ってもみなかった、まあいいけど。

    地図に円を描くと、徒歩圏内に神田(2駅)、御茶ノ水秋葉原、神保町(2駅)、小川町、淡路町、新御茶ノ水の9駅が入った。しかも主要路線の山手線、中央線が入る。相変わらず交通利便性MAXの神田界隈、素晴らしい。コンビニや喫茶店は数える気にもならないぐらいの数ひしめいている。神保町徒歩圏内なので書店もバッチリだ。

    ただし(私の知る限りは)、 中型スーパー(オリンピック)一軒、ミニスーパーまいばすけっとマルエツプチ、成城石井など)が八軒ほど(たぶん)あるだけで、普段の買い物はやはり弱い。

    そんな神田界隈徒歩圏の人口規模は8.768世帯、13,875人(2016年11月現在、以下同じ)。基準値の2.1万世帯、4.9万人はまだまだ遠い。千代田区全体では1995年(平成7年)に34,780人まで減った人口が2014年(平成26年)には53,000人と2.2倍まで回復しているので希望は捨てないで待ちたい…がしかし、4.9万って要は千代田区のほぼ全人口じゃないか。こりゃ無理だ。大正時代には20万人以上住んでたんだけどなあ。

 

東京都千代田区人口推移及び人口増減率 1920年~2014年(大正9年~平成26年) - 人口・面積・人口密度・

 

 神田界隈の特殊事情としては、オフィスが多いのでおそらく昼間人口は確実に4.9万以上いるだろうということ。千代田区の昼間人口が夜間人口の15-6倍なので、控えめに十倍の差と考えてもざっと14万人ぐらいは居ることになる。喫茶店の多さはそんな事情を反映しているのだろう。

 

豊洲界隈

    お次は色々と話題の豊洲

    建設途上の街だが、ららぽーともあって買い物には困らなそう。でも交通手段が有楽町線と臨海新交通だけなんだよね(バスもある?)。

 

豊洲は駅前を中心に半径800m圏を設定。場所柄、水路が入る。

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 新開地は町丁が一つ一つ大きくて数えやすいので助かる。

 

およそ半径800m圏に存在する町丁の人口データ

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江東区の2016年11月分の人口統計資料を加工して作成 

 

    世帯数は27,483世帯で神田の三倍強、人口に至っては62,771人と四倍以上で豊洲界隈の圧勝。というか豊洲だけで千代田区の総人口を超えている、すげえ。勿論2.1万世帯、4.9万人は軽くクリア。

    人口の開きが世帯数の開きより大きいのは、ファミリー居住が多い事を示していると思われる。

    これだけ人口規模があると、商業施設も作りやすいだろうなあ。

    あと、公共交通機関が神田ほど多くない(いやむしろ神田界隈が異常なんですけどね)ので、逆に顧客を域内に囲い込みやすいという事があるのかもしれない。神田みたいに交通の便が良すぎるとストロー現象で周辺に顧客を吸い取られちゃうのかも。

 

日本橋界隈

    日本橋界隈は人形町駅を中心にしてみた。

 

人形町交差点から半径800m圏内。橋梁の「日本橋」もギリギリ徒歩圏内だ

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 日本橋界隈も町丁の割り方が細かくてだいぶ往生した。

 

およそ半径800m圏に存在する町丁の人口データ

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中央区の2016年11月分の人口統計資料を加工して作成

 

    やってるうちにだんだん面倒臭くなってきたので、中央区がサイト上で公表しているエクセルを色だけ変えて貼り付けてある。一文の得にもならんのに何やってるんですかね私は。

    日本橋地域(特に人形町界隈)は商店街も充実していて、また徒歩圏の利用可能駅も10駅と実は神田界隈より多い(マイナーな都営線の駅が多いのが惜しいところだが)。大型スーパーは無いが中規模スーパーや上述の商店街もあり、またコンビニやミニスーパーも豊富なので生活利便性は高そう。加えてコレド日本橋三越日本橋店も徒歩圏だ。

 中央区は千代田区と似て一つ一つの町丁面積が狭いので一見人口も世帯数も豊洲よりかなり少ないように見えるが、合計を見てみると世帯数は豊洲の27,483世帯に対して日本橋が24,729世帯とかなり拮抗している。ただ人口については同じく豊洲の62,771人に対して六割強の40,705人と意外と少ない。神田界隈同様にファミリーよりDINKSや単身が多い事がわかる。単身の多さが響いたか基準値の2.1万世帯は満たしつつも、人口4.9万人はやや下回る。

    あと、神田界隈と日本橋界隈の違いとしては、同じ都心地域でも神田界隈は性比は男性が多く、日本橋界隈(と豊洲も) は女性が多い点も面白い。ちなみに神田以外は全部女性のほうが多いという衝撃の結果。神田界隈は他地域に比べて女性受けが悪いのだ。

 後半に地域ごとの比較をおいたので詳細はそちらで。

吉祥寺界隈

 郊外も併せて比較したかったので、土地勘のある吉祥寺界隈でも同じことをやってみた。みんな大好き吉祥寺、実際いい街である。住んでた私が言うんだから間違いない。

 吉祥寺駅を中心にすると範囲内に三鷹市が入ってくるから数字拾うのが面倒くさい人が住んでいない井の頭公園があるため人口規模が低く出そうだったので、駅北側の八幡宮前交差点に中心をおいた。

 

八幡宮前交差点から800m。駅前の繁華街がすっぽり入るが、鉄道駅は吉祥寺一つだけ。神田界隈(9駅)や日本橋界隈(10駅)の異様な便利さがよく分かる

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およそ半径800m圏に存在する町丁の人口データ

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武蔵野市の2016年11月分の人口統計資料を加工して作成

 

 郊外で一戸建てが多い地域であるため、世帯数、人口共に豊洲日本橋より少ないが、それでも人口は神田の倍以上ある。また、女性比率は四地域の中で最も高く、

 不動産屋「吉祥寺だけが住みたい街ですか?

 女性客「あたりまえじゃないですか!」

なんて会話が聞こえてくるような気がするのである。

 意外だったのは基準値の2.1万世帯、4.9万人には届かなかったこと、一建ての多い郊外には別の基準が必要なのかもしれないね。

 吉祥寺に代表される郊外主要駅の特徴は駅前ですべてが揃うというところ。吉祥寺はその代表例で、デパート1軒、大型商業ビル(含駅ビル)4-5軒、大規模書店2-3軒、電器店3軒、その他商業施設(しかも結構趣味が良いもの)は数えるのが無理な位あるので(引っ越して結構経つので数字はいい加減なうろ覚え)、出勤する必要がなかったら吉祥寺を出ずに生活できてしまう。

  ただ、これは円の中心を駅徒歩圏の八幡宮前交差点に置いたからであって、ここからさらに0.5-1.0kmくらい駅から遠ざかると、駅前まで出るのにバス便か自転車に頼ることになる。「ムーバス」なんて便利なコミュニティバスもあるのでそれを使うと良い(ちなみにコミュニティバスを日本で最初に導入した自治体は武蔵野市らしい)。

 また、都心部に通勤する場合、通勤地獄の王である楽しい中央線通勤になる(吉祥寺始発の井の頭線を使う渋谷界隈の勤務者を除く)ので、覚悟をしたほうが良い。荻窪丸ノ内線始発に逃げるとか、総武線各停を使うとか回避方法は一応あるんだけど、でもねえ…

 

四地域比較

 出揃ったところで、改めて地域ごとの比較をしてみよう。

 下図は四地域の合計だけを並べて、さらに世帯数を総数で割ったもの(世帯当たり人員)を付け加えたグラフ。

 

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 各地域の人口統計を元に筆者作成

 

 うーん、比較してみると神田の人口の少なさと単身者の多さが際立つ感じ。なんだか神田のネガティブキャンペーンみたいになってしまった。すごい住みやすいのに…住宅供給数が足らないのか、或いは需要がないのか。まあさっきも書いたように4.9万ってつまり千代田区の人口のほぼ9割なんだから、そもそも目標値には届くわけ無いよね(分かっててこの記事を書く?)。それでもまあ頑張りましょう。

 一方で四地域の中で唯一世帯人員が2.0を超えた豊洲のファミリー感が半端ない。大規模開発の強みだろうか。先々楽しみな街ではある。

 日本橋は単身志向であることは神田同様だが、世帯数も人口も神田よりずっと多い。すぐ隣なのに不思議。やはり「日本橋アドレス」の威力だろうか。でも神田界隈と日本橋○○町だったら居住環境ほとんど変わらない気がするんだけどなあ…どちらも雑居ビルとオフイスが多めで地価が高い都心。神田と日本橋でこれだけ差がでることについての仮説があれば是非教えてほしいところだ。

 そして吉祥寺、数字だけ見ると世帯数も人口もバランス良く(?)低い。先程も書いたように郊外には郊外の指標が必要ということかな。しかし一戸建ても多いのに世帯当たり人員は2.0を割っているのはどう解釈するべきか…

  なお、基準値の2.1万世帯、4.9万人に届いたのは豊洲のみ、日本橋は世帯数は満たすも人口が足らず、吉祥寺はどちらも届かない。神田は橋にも棒にもかからなかった。

 

人口規模と商圏 

 なんで私がこんな面倒くさい楽しいことをやってみたのかというと、頭の方でも少し書いたが、相変わらず神田に中型以上のスーパーや商店(八百屋、肉屋、魚屋、酒屋の類)が少なく、生活利便性において画竜点睛を欠く嫌いがあると感じるところ、その原因が人口規模にあるんじゃないかと考えたから。

 人口規模がないと商圏を維持できず、スーパーは商圏を維持できないところには新規出店しないだろう。

 

スーパーの商圏についてネットで資料を漁っていたら、野村不動産傘下の投資顧問会社のレポートを発見。まさに私が知りたい東京圏の食品スーパーについてまとめている。

有望な 1 次商圏 1,232 エリアのうち、「店舗空白エリア」は 694 カ所(56%)

食品スーパーの一次商圏とされる半径 500m圏に、3,000 世帯以上居住している人口集積エリア※6 は 1,232 カ所抽出された。同エリアで上記の既存競合店の有無を調べたところ、店舗空白エリアは 694 カ所あり、約 56%を占めた。

 

有望な 2 次商圏 1,132 エリアのうち、「店舗空白エリア」は 108 カ所(9.5%)

食品スーパーの二次商圏とされる半径 1.0km 圏に、12,000 世帯以上居住する人口集積エリア※6 は 1,132 カ所抽出された。同エリアで上記の既存競合店の有無を調べたところ、店舗空白エリアは 108 カ所、9.5%にとどまった。

※6 食品スーパー各社のヒアリングによると、出店を検討する際に最重視するのが一次商圏であり、概ね 3,000 世帯以上が目安。次いで重視する二次商圏では概ね 12,000 世帯以上を目安としている

 野村不動産投資顧問のレポート(2012年)9頁より抜粋

 

 同レポートの紹介によれば、私の夢である食品スーパを維持するために必要な商圏世帯数は半径1.0km圏に対して1.2万世帯。

 神田の現在の世帯数は約8,700世帯なので、あと3,300世帯足らない。それにもかかわらず出店してくださっているオリンピック有り難や。

 

www.olympic-corp.co.jp

 

 1.0km圏に2.4万世帯いれば2軒のスーパーが維持できる(そんな単純なもんじゃないと思いますが与太話なので気にしない)とすれば、

(12,000*2)-8,700=15,300

 つまり、あと15,300世帯増えれば神田に二軒目のスーパーがやって来ます。

 みんなで力を合わせて神田に引っ越しましょう!(冗談)

 

 

 

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