こんにちは!
ここのところばたばたしててつい間が空いちゃいました、今回は神田のイメージについて小咄を一つ。
神田といって皆さんはどんなイメージの街を思い浮かべるだろうか、そして具体的に思い浮かべるのはいったいどこだろうか。
「神田」のステレオタイプなイメージ
まずはイメージの話。
例えば、Google「神田 イメージ」の検索結果はこんな感じ。
話がそれますが、2016/9/30現在ではこの検索語の結果一位に拙ブログのこの記事が入っておりました、ご愛読有難うございます。
そして三位に入っているのが
という掲示板。
詳細は掲示板の書き込みを実際に覗いていただきたいのだが、主なイメージとしてはだいたいこんな感じ。
まあ「学生の下宿」「サラ金街」以外はだいたい合ってるかな。
「学生の下宿」という間違ったイメージ(学生さん向けの安下宿は神田界隈にはない)のもとはまず間違いなく南こうせつの名曲『神田川』だろうが、これはもっと上流の新宿区早稲田あたりが舞台らしい。なお、河川の神田川は水源が井の頭公園(三鷹市)なので、実は千代田区神田地域以外の場所を流れている距離のほうが長いのだよね。
あと、サラ金街というのは神田駅周辺のことだと思うのだけれど、今は殆ど撤退している(他の街同様、名のしれた大手サラ金の店がいくつかあるくらい)。なのでお金借りたい人は他の街行ったほうがいいです。
ただ、ここに出てくるイメージってすごく多様だよね。なぜこんなに多様なのだろうか。
いろいろな「神田」
「神田」という地名は旧神田区全体(千代田区の東北側一帯)を表す総称としても、またJRや地下鉄の駅名としても用いられている。日本橋と同じだね(中央区北部(旧日本橋区)の総称でもあり、JR(新日本橋)、地下鉄駅名、橋梁名(日本橋)でもある)。
ちなみに、『特別区の区域の沿革について』(東京都) という資料によれば、千代田区(区全体の面積は二十三区中第19位)のうち旧麹町区8.28km²に対して旧神田区はたったの3.10km²。執筆現在日本で一番狭い自治体である(らしい)富山県舟橋村(3.47km²)よりも更に狭いのだから、その狭さもわかろうというものだ。
狭い狭い旧神田区の様子。狭い中に町名がひしめいている
とは言っても(これは首都圏の住民ならわかってもらえると思うのだが)、東京では距離は大したことなくても最寄り駅が違うと違う街と認識されることが多い。例えば日比谷、銀座、京橋、築地、新橋なんてそれぞれものすごく近いのに、それぞれ別の街として認識されてるんじゃないだろうか。
神田地域もご多分に漏れない。
上で出てきたイメージが多様な理由は、別々の地域のイメージの混合だからなんだろう。多少強引にイメージと具体的な場所を関連付けるなら、こんな感じだろうか。
前にこんな記事を書いた通り、神田駅周辺には本屋がない。本屋があるのは「神田神保町」。
色々な地域の集合体としての神田
神田は狭いけど広い。別々の地域の集合体だ。
だから、例えば神田駅で降りても神田明神はないし(御茶ノ水駅聖橋口が近い)、古書店街もなければ(神保町駅が近い)、学生もあまりいない(御茶ノ水駅南側の駿河台一帯)。逆に神保町駅や御茶ノ水駅、淡路町駅あたりで飲み屋を探してもあまりピンとこないだろうし(少しはあるけど)、岩本町駅でスポーツ用品を探しても見つからない(スポーツ用品街は小川町駅が近い)。距離は近いけど(神田駅から水道橋駅まで神田地域を突っ切るように歩いて行っても30-40分(3-4km))これらはすべて違う街として、それぞれの個性を持っている。
漠然とした「神田」ではなくて、神田各地域の多様な個性を是非見てやってほしい。
住むに良し、食べるに良し、散策に良し、そんな神田地域に注目してみて欲しい。